|
|
|
|
曹洞宗はお釈迦さまより歴代の祖師を経て、天童如淨和尚(中国) に相続され、その天童如淨和尚より道元禅師に相続された正伝の仏法です。ちなみに、お釈迦さまより道元禅師を経て数える事八十六代で、平成十六年現在の向昌院住職に至ります。
曹洞宗は道元禅師によって開かれ、永平寺四世瑩山禅師によって全国に広められた宗門です。ゆえに道元禅師によって開かれた永平寺、瑩山禅師によって開かれた総持寺を両本山とし、道元禅師を高祖さま、瑩山禅師を太祖さま、二祖を両祖さまとしております。
道元禅師は、仏道の根本義は、お釈迦さま以来、達磨大師を経て正しく伝えられてきた坐禅に極まるとお説きになりました。禅というと「禅問答」のような難しい問題(公案)
を第一に連想される方もおられるかもしれませんが、道元禅師が説かれたのは「只管打坐」という、ただただ無心で行う坐禅です。
坐禅は身心脱落なり
只管に打坐するのみなり
道元禅師が著わされた『宝慶記』に出てくる言葉です。なにかを思ったり、悟りに達したいと願うのではなく、ただ坐禅をすることのみを目的にして座るのです。静かに座っているうちに、いつしか心も身体も念頭になくなる「身心脱落」の状態が理想です。只管打坐とは、無所得(何かを得ようとしない)・無所悟(さとりを期待しない)
の坐禅を意味します。「そんなことをして、一体なんになるのか」と問う人がいるかもしれません。けれども、そのようなことを考える前に、ともかくも座ってみることだ、と道元禅師は語ります。
それは、一切の雑念、表層意識を捨てることで、心の深いところの根本的なものを呼び覚まし、本来の自己を発揮するための旅とでもいえるかもしれません。そうした心身のありようが、生活を調え、社会のお役に立つことを喜び、また、どんな苦難にも耐えて生き抜こうとする信念が生まれ、また、仏・法・僧の三宝に帰依することにより、たしかな素地となります。
そこに生きがいと幸福とを見いだすのが曹洞宗の教えです。
※当院では、要望により座禅会を開いています。くわしくは御問い合わせください。 |
|
|
|